2008年 11月 19日
「さようなら。」
「ありがとう。」
「ごめんね。」
この言葉を言う為に、 電話の向こうで、 十も上の彼が泣いた。
ずっと・・・ずっと・・・、私は、ただただ聞いていた。
ハンカチ・・・持っているかな・・・なんてどこか冷静な自分が少し怖かった。
すれ違って、 傷ついて、 傷つけて。
二人は、本当に・・・苦しかったんだ・・・。

私は、毎晩、薬を探した。
まるで・・・おとぎ話の中のような・・・だけど現実アラスカに生えている葉の薬を。
どうかしてる・・・と自分を思いながら・・・。
だけど・・・まだ見つかってはいない。
そして、今、沢山の本を読んでいる。
彼への言葉を探す為に。
「治らないんだよ?」 灯りを落とした部屋で、下を向いて、微笑みながら語ってくれたあの人に・・・、
私に出来ることは・・・ きっと、 ないんだな・・・ って思いながら。
それでも、 たった一つ、 私には、 あなたを思う気持ちだけは・・・、 あるんだ・・・。

同情という言葉を、初めて、これほどまでに恐れながら、
二人は今、 心から・・・心から・・・・ と伝える度に、理解しあえた気がする。
許しあえた気がする。

もしも、会えたら・・・と、二人の心が今また、ねだっていたとしても、
「真面目な二人」 と言って笑いあうことで、
誤魔化して・・・ 誤魔化して・・・・。
そうするしか、ないのだと。

だから私は、
ただただ・・・ 幸福の言葉を、 探している 。
大切な人の為に。

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by requiem---k
| 2008-11-19 11:51